統合医療について統合医療のフラワーロード服部内科。アンドルーワイル博士のアリゾナ州立大学統合医療講座課程を当院院長は修了しています

 

Imagine a world in which medicine was oriented towards healing rather than disease , where doctors believed in the natural healing capacity of human beings and emphasized prevention above treatment. In such a world, doctors and patients would be partners working toward the same ends.

Andrew Weil, M.D.,Founding Director
www.integrativemedicine.arizona.edu

 

アンドルーワイル博士に関する事柄について

統合医療とは何か。

 

いま、健康管理に関心をもっている方なら「統合医療」という言葉を耳にされたことがあると思います。21世紀の新しい医療として注目されている統合医療ですが、アメリカ発祥のこの医療の内容が正しく理解されているとは言えない現状です。一時的なファッションのように「統合医療」という言葉だけが独り歩きし始めていることが心配です。「現代医療の中で漢方を処方している」「鍼灸に理解がある」「特別なサプリメントを使っている」というようなことでも統合医療という言葉が使われていますが、それはほんとうの統合医療ではないとわれわれは考えています。

 

◆◆ 1. 統合医療という新たな潮流 ◆◆

 

体調が悪いとき、けがをしたとき、病気になったとき・・・そんなときに私たちの体では自ら治ろうとするスイッチがONになります。これが「治る力」すなわち自然治癒力です。この自然治癒力を目覚めさせ、最大限に引き出す医療が統合医療です。

 

科学の発展のおかげで現代西洋医学は人類に大きな恩恵をもたらしました。その反面、あまりにも専門細分化したために人間の体をあたかも機械のパーツのように見る弊害が出てきました。しかし人間は機械ではありません。また身体だけでなく心と精神を持っている存在です。また最近の傾向として病気の背景には心の問題や生き方の偏りが多く見られます。人間を身体を超えた存在としておおきく丸ごととらえて治療や健康づくりをめざすが統合医療の基本的な考え方です。

 

このために統合医療では現代西洋医学だけでなく、代替医療(もしくは補完伝統代替医療)と呼ばれるさまざまな治療法を組み合わせて、その患者様にもっともふさわしい医療、いわば“オーダーメイド医療”を行います。(「美的」図参照)。西洋医学を熟知した医師と患者が協力して、「健康を保つ」ことや「治る力を高める」ことに取り組んでいきます。 「調和・共生」「自然治癒力」「自主・自助」などの基本理念とともに、ひとびとのおおきな共感を得て、いま世界中で注目され広がっています。

 

◆◆ 2. アンドルー・ワイル博士について ◆◆

 

統合医療の生みの親であり世界的指導者としてタイム誌の表紙に二度にわたり取り上げられたワイル博士は、アリゾナ大学医学部教授で、また「癒す心・治る力」「ヘルシーエイジング」(角川書店)など数々のベストセラー作家でもあり、一般向けの健康講座 www.drweil.com のディレクターなどたくさんの顔をもっている内科医師です。フィラデルフィア出身。ハーバード大学で医学と生物学(植物学)の二つの学部を修了。現在は米国アリゾナ州ツーソン在住。アリゾナ大学医学部で教鞭ととるかたわら、学内の統合医療プログラム(PIM: Program in Integrative Medicine)の創立者として大活躍中です。 自然や動植物、平和とユーモアを愛するあたたかく穏やかな人柄で、人の心にすっと入って感情を共有できる直観力の持ち主でもあります。少年期より日本を愛し日本人以上に日本文化の和のこころを解する希少なアメリカ人のひとり。趣味は旅行、料理、園芸、映画鑑賞など。

 

◆◆ 3. 現代西洋医学と代替医療〜それぞれの特徴 ◆◆

 

最先端の科学で解き明かされる体の仕組みの精巧さや不思議さは、知れば知るほどに奥深く神秘的と感じるほどです。また人間の体は決して鉄の箱のように頑丈なわけではなく精密機械と同じく微妙なバランスを保って機能していることを長年の内科医の経験から実感します。

 

最近この状況を背景に漢方や鍼灸などの東洋医学を再認識して生活に取り入れる動きがあります。日本において漢方や鍼灸などの東洋医学は代替医療の代表的な存在です。17世紀のデカルト以降、身体とこころを切り離して考えるようになった西洋医学は主に身体についての研究を進めてきました。その結果、現代西洋医学は疾患そのものとそれに対する治療法(対症療法)を重視してきました。人体をさまざまなパーツ(臓器や器官)の集合体と見る西洋医学に対して東洋医学では臓器だけでなく心までもが密接に関連しあってバランスをとっていて(心身一如、病は気から)人間も自然界の一部ととらえています。

 

ここでひとつ強調したいことは、悠久の歴史を持つ東洋医学でさえも西洋医学にはかなわない領域がやはりあるということです。まず挙げられるのが科学技術の発展によって高度に進歩した救急医療や診断のための検査です。また外科手術や抗生物質投与を要する場合や高血圧や狭心症など近年増加している循環器疾患の治療では、近代西洋医学がその威力を存分に発揮しています。

 

東洋医学をはじめとするさまざまな代替医療をただ取り入れるというのではなく、あくまで現代西洋医学を基盤にして最適の治療法もしくは健康法を組み合わせて「治る力」を最大限に引き出すことが統合医療のめざすところです。

 

◆◆ 4. フラワーロード服部内科の取り組みと将来 ◆◆

 

服部内科では患者様とのパートナーシップを大切にし、病気を治療するだけでなく「なぜ病気になったのか」を一緒に探っていき、病気の予防や真の健康を得ることをともに考えています。また統合医療についてよく知っていただくためにますます積極的に情報発信をしていきます。わたくしたちは当院にこられる皆様の幸せを心から願っています。「健康」を保つこと、「治る力」を高めることが基本治療方針です。

 

  当院の統合医療の目標

◆患者さんを中心においた医療。を展開する

◆患者さんのライフスタイル全体やこころの状態などすべて丸ごとトータルに全人的な見方で診察してアドバイスする。

◆もともと人間の体に備わった治る力(自然治癒力)が最大限に引き出していく。

◆患者さんにとってやさしい医療(痛みや危険、経済的負担などがすくない)を選択。 例えば、高脂血症の方にすぐお薬を処方するのではなく生活改善を勧める等。

◆近代西洋医学だけでなく、有効で安全なさまざまな代替治療法を適切に取り入れる
  

  当院での統合医療の実際

今後、統合医療の理想的な医療体制を整えるためには、さらに多くの方に統合医療のことを理解していただいて、統合医療に賛同する医療関係者の信頼のおけるネットワークを築いていくことが必要だと考えています。 そして世界中の憧れである日本の伝統的「和」のライフスタイルを取り入れて、海外にもアピールする魅力的な独自の統合医療をこの神戸の地に実現することが目標です。

◆患者さんとの相互の信頼関係は治療上とても大切に考えている
◆体の症状などの詳細な聞き取りや問診を重視している
生活習慣病指導外来(高血圧/高脂血症/糖尿病のための8週間特別コース)
栄養指導(実生活に沿った実現可能な管理栄養士の個別指導が好評)
禁煙指導(たくさんのオリジナル資料をそろえて独自の方法で実施中)
◆「漢方/心療内科/眼科(医療連携)」の専門医と連携

◆「鍼灸/アロマテラピー/ヨーガ(提携)」のスペシャリストと協力

 

今後、統合医療の理想的な医療体制を整えるためには、さらに多くの方に統合医療のことを理解していただいて、統合医療に賛同する医療関係者の信頼のおけるネットワークを築いていくことが必要だと考えています。そして世界中の憧れである日本の伝統的「和」のライフスタイルを取り入れて、海外にもアピールする魅力的な独自の統合医療をこの神戸の地に実現することが目標です。

 


参考文献;
「統合医療とは何か?がわかる本」  当サイト内リンク  アマゾン
「医道の日本」(医道の日本社)Vol.65 No.7 www.idononippon.com 
オリジンズ ナチュラル リソーセズ www.origins.com/weil  
「美的」(小学館)2006年12月号

 

関連ページ

2012年6月アリゾナ大学統合医療講座修了の医師9名<JPIMAA>(当院院長 服部を含む)共著で「統合医療とは何か?がわかる本」を上梓いたしました。これから統合医療を「受ける」「学ぶ」すべての方にお勧めします。
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1.)「統合医療との出会い(神戸〜アリゾナ・ニューヨークそして神戸へ)
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2.)院長・服部は米国アリゾナ大学医学部、アンドルー・ワイル博士が主催する統合医学講座Associate Fellowship課程を取得しています。(同講座について月刊誌「医道の日本」2006年7月号に関連記事が掲載されています。(掲載記事は新規ウインドウで開きます。) 
 

3.)月刊誌「医道の日本」2006年7月号巻頭座談会(新規ウインドウが開きます。)

4.)「美的」2006年12月号 西洋、東洋、代替医療・・・。様々なアプローチであなたの”治る力”を引き出す「統合医療」という新たな潮流(新規ウインドウが開きます。)

5.)月刊誌「STORY 2007年3月号」に「もうひとつの治療・統合医療ってなに」副題「その人に必要な西洋医学と代替療法を同時に提案する統合医療」の記事掲載。山本先生の対談中、「統合医療を受けれるクリニック」として当院が推薦されています。

 

6.)月刊誌「家庭画報2013年11月号」(世界文化社刊)に「アンチエイジング医療新時代・生涯第一線(9)」に当院が掲載されました。

 

7.)アリゾナ大学のホームページの中の日本の地図をクリックしていただくと日本での同大学統合医療講座Associate Fellowship課程取得者の一覧がご覧いただけます。

 

8.)統合医療のページに平成22年度厚生労働科学研究費補助金 地域医療基盤開発研究事業の一環である「統合医療セミナー報告書」をアップしました。当院院長も寄稿していますので、興味のある方はご高覧いただければ幸いです。
>>>「統合医療セミナー報告書」はここをクリックして下さい。
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